系統用蓄電池のIRRは何pt動くか — 需給調整市場の上限価格15円→10円で、3設備×9エリアを再計算
2026年9月1日、需給調整市場(EPRX)のΔkW上限価格が15円から10円/ΔkW・30分に下がります。公開データだけで代表3設備×9エリア(27通り)の想定IRRを計算し直したところ、蓄電池の応札単価実績に近い前提では平均マイナス1.1pt。EPRXが公表した蓄電池の実落札単価をそのまま置くとマイナス3.1pt。「上限価格で全コマ約定」と置いた試算ではマイナス8.8pt。同じ改定でも、置いた前提しだいで影響は8倍近く変わります。前提・数式・出典・計算スクリプトはすべて公開します。
この記事の要点
- 9/1、需給調整市場のΔkW上限価格が15円→10円/ΔkW・30分に下がる
- 3設備×9エリア=27通りの想定IRRは、前提の置き方で−1.1pt〜−8.8pt動く(EPRX公表の実落札単価ベースなら−3.1pt)
- 前提・数式・出典・計算スクリプトはすべてこのページで公開している
※本記事は公開情報に基づく試算であり、特定の設備・案件への投資を勧めるものではありません(免責は末尾)。
※本記事は、系統用蓄電池の第三者検証サービス「エネドック」を運営する合同会社THが執筆しています。記事の末尾で自社の無料シミュレーターと有料の検証レポートを紹介しています。
結論の数字
IRR(内部収益率=年率換算の利回り。ptは%ポイント)の下げ幅は、EPRXの想定約定単価をどう置くかでここまで動きます。いずれも15年・税引前・補助金なし、3設備×9エリア=27通りの平均です。
| 想定約定単価の置き方 | EPRX実現単価 旧→新 | 年間収益差 | IRR差(27通り平均) |
|---|---|---|---|
| 中央前提(蓄電池の平均応札単価8.45円の分布から推計) | 8.45円 → 7.93円(−6.2%) | −4.7% | −1.12pt |
| 落札実績前提(EPRX公表の蓄電池 実落札単価2025年度) | 11.50円 → 9.87円(−14.2%) | −11.4% | −3.05pt |
| 上限張り付き前提(上限価格で全コマ約定) | 15円 → 10円(−33%) | −28.0% | −8.80pt |
改定で変わるのは天井であり、床ではありません。だから「いま何円で約定しているか」を高く置いた試算ほど、9月1日に大きく崩れます。
9月1日に何が変わるか
2026年9月1日の実需給分から、需給調整市場(EPRX)の一次調整力・二次調整力①・複合商品に適用されるΔkW上限価格が、15円から10円/ΔkW・30分に引き下げられます(電力需給調整力取引所 2026年7月30日公表。第4回電力安定供給ワーキンググループの審議結果)。二次②・三次①の7.21円は据え置き、三次②は引き続き上限なしです。
用語の整理
- 需給調整市場(EPRX)
- 電力の周波数を保つための調整力を売買する市場。運営は一般社団法人 電力需給調整力取引所。
- ΔkW
- 実際に充放電した電力量ではなく、いつでも出力を上下できる状態で待機している容量に対して払われる対価。
- 円/ΔkW・30分
- 30分コマ1つあたりの単価。1日48コマ、1年で17,520コマ。
- 複合商品
- 一次〜三次①をまとめて応札する商品区分。
19.51円が適用されていたのは2024年4月1日〜2026年3月13日、15円が2026年3月14日〜8月31日、10円が9月1日から当面の間。2024年4月の19.51円から数えると、2年5か月で約半分です。
上限価格は「その値を超える札が弾かれる」仕組みではない
上限価格は「その値を超える札が弾かれる」仕組みではありません。 電力需給調整力取引所「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月30日)の注4は、次のように明記しています。
需給調整市場システムでは応札価格が上限価格を超過しているか否かを判定しません。(上限価格を超過した約定については精算手続きにおいて上限価格を適用したうえで料金計算が行われます。)
つまり、上限を超える札も約定し得て、受け取る単価が精算時に頭打ちになる仕組みです。本試算が「10円超の応札区分」を残したまま min(約定単価, 上限価格) でクリップしているのは、これが理由です。上限超過分を「約定ゼロ」として落とすと、改定の影響を過大に見積もることになります(資源エネルギー庁 資料8 p.11 の注2も、上限15円を超える応札を便宜的に15円として集計しています)。
ケース別の結果(15年・税引前・補助金なし)
「上限張り付き前提」=約定単価が常に上限価格と同じと置いた試算です。CAPEXは初期投資、OPEXは年間運転費を指します。
| ケース | CAPEX | IRR 旧→新(中央前提) | IRR 旧→新(上限張り付き前提) |
|---|---|---|---|
| ① 高圧 2MW/8MWh | 5.44億円 | 9.7〜12.0% → 8.4〜10.8%(−1.2pt) | 23.3〜25.2% → 13.2〜15.3%(−10.0pt) |
| ② 特高 10MW/40MWh | 26.0億円 | 12.4〜14.7% → 11.2〜13.5%(−1.2pt) | 26.2〜28.2% → 15.9〜18.1%(−10.2pt) |
| ③ 低圧 50kW/200kWh | 2,120万円 | −7.7〜−4.8% → −8.7〜−5.6%(−0.9pt) | 1.5〜3.4% → −5.0〜−2.5%(−6.2pt) |
範囲は9エリアの最小〜最大です。年間収益(JEPX純収入+EPRX純収入)は、①9,901〜10,893万円→9,405〜10,396万円、②5.07〜5.57億円→4.82〜5.32億円、③147〜172万円→140〜165万円。差率はいずれも−4.1〜−5.0%です。OPEXは①2,778万円/年、②1億1,125万円/年、③74万円/年。
落札実績前提(EPRXが公表した蓄電池の実落札単価ベース)で置き直すと、①16.4〜18.4% → 12.9〜15.1%(−3.4pt)、②19.1〜21.2% → 15.6〜17.8%(−3.5pt)、③−2.8〜−0.6% → −5.2〜−2.7%(−2.3pt)となります。
エリア別のIRR(中央前提、旧→新)は次の通りです。
| エリア | ① 高圧(IRR %) | ② 特高(IRR %) | ③ 低圧(IRR %) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 11.8 → 10.6 | 14.6 → 13.4 | −4.9 → −5.8 |
| 東北 | 12.0 → 10.8 | 14.7 → 13.5 | −4.8 → −5.6 |
| 東京 | 9.7 → 8.4 | 12.4 → 11.2 | −7.7 → −8.7 |
| 中部 | 10.3 → 9.1 | 13.1 → 11.9 | −6.8 → −7.8 |
| 北陸 | 10.1 → 8.8 | 12.8 → 11.6 | −7.1 → −8.1 |
| 関西 | 10.1 → 8.8 | 12.8 → 11.6 | −7.1 → −8.0 |
| 中国 | 10.4 → 9.1 | 13.1 → 11.9 | −6.7 → −7.7 |
| 四国 | 11.4 → 10.2 | 14.1 → 12.9 | −5.4 → −6.3 |
| 九州 | 10.8 → 9.6 | 13.5 → 12.3 | −6.1 → −7.1 |
低圧ケースのIRRがマイナス圏なのは、kWhあたりCAPEXが高圧の1.5倍超(10.6万円/kWh)で、託送の基本料金・従量料金も割高なためです。補助金や容量市場収入を入れれば水準は変わり得ますが、本試算では制度依存の収入を意図的に外しています(後述)。
なお低圧については、低圧リソース単独では需給調整市場に応札できず、アグリゲーターが多数のリソースを束ねて応札することを前提に置いています(低圧リソースの参加が可能になるのは2026年度からという点は筆者の理解で、本記事に挙げた一次資料に明記されているものではありません)。低圧ケースは制度・商流の前提が最も不確実で、参考値としてお読みください。
エリア差はほとんど効かない(IRR差のエリア間の開きは0.2pt以内)
本試算では託送料金・発電側課金を東京電力パワーグリッドの単価で9エリア共通に置いているため、モデル上のエリア差はJEPXアービトラージ収入だけから生じます(託送料金は送配電網の利用料で、基本料金〔kWあたり月額〕と従量料金〔kWhあたり〕があります。実際の単価は一般送配電事業者ごとに1〜2割の差があり、その分は本試算に含まれていません)。
その前提で2026年5月30日〜8月28日の91日(2026年8月28日取得)のスポット実績を日次最適化すると、高圧2MW/8MWhの年換算アービトラージ純収入は東北・北海道が2,890〜2,960万円、最も小さい東京が2,000万円弱、北陸・関西が2,120〜2,140万円。昼夜の値差が大きいエリアほど改定の相対的な痛みは小さく出ますが、収益差率のエリア間の幅は高圧0.5・特高0.5・低圧0.7ポイント弱にとどまります。IRR差のエリア間の開きも高圧・特高で0.06pt以内、低圧でも0.2pt以内です。改定の影響は、エリアよりも「どの前提を置くか」で決まります。
前提を「15円で全コマ約定」に置くと、何が起きるか
上の表で目を引くのは、中央前提と上限張り付き前提の差です。想定約定単価を「15円(改定前の上限価格)で全コマ約定」と置いた試算では、改定によってEPRX収入が約−33%、総収益では−26〜−29%程度(ケース・エリアにより−25.8〜−29.4%)、IRRで高圧・特高とも−10pt前後(低圧は−6.2pt)動きます。中央前提の−1pt前後とは、投資判断の土台がまるごと入れ替わる差です。19.51円(2024年4月〜2026年3月の上限価格)で置いた試算なら、差はさらに開きます。
手元の試算を見分ける3点
上限価格は2年5か月で19.51円→15円→10円と動いており、資料の作成時期によって当時の水準がそのまま残っていることがあります。手元の試算がどの世界の数字なのかは、次の3点を見れば判別できます。
- EPRX収入の想定約定単価(円/ΔkW・30分)が、上限価格に張り付いていないか
- 約定率(全コマ100%約定になっていないか)
- 上限価格の水準が固定ではないこと。審議会では、競争状況に改善が見られない場合に10円・7.21円等へ段階的に引き下げる案が示される一方、改善が見られればそれ以上の引下げは行わない、ともされています(資源エネルギー庁「需給調整市場について」2026年1月23日 資料4 p.5/同 2026年5月13日 資料8 p.17。いずれも「〜としてはどうか」「〜を検討してはどうか」という論点提示の形で、決定事項ではありません)。将来の上限価格を一点で置いた試算は、上にも下にも振れる余地があります。
3点とも、手元の資料に書いてある数字をそのまま読み取れば判別できます。値の当否まで確かめたい場合は、無料の収益シミュレーターに同じ前提を入れてみてください。
方法論(全前提・数式・出典)
計算エンジン: 公開シミュレーター(enedock.jp)と同一の計算コードを使用しています(@grptom/battery-engine 0.1.4)。0.1.1・0.1.2・0.1.4 の配布物(dist/index.js)はmd5が一致しており、差分はワークスペース共通のバージョン採番のみで、結果は版に依存しません。JEPX価格は @grptom/market-data で日本卸電力取引所の公開CSV(9エリア)から取得しています。
JEPXアービトラージ: エリア別・日別に48コマのスポット実績を安値充電・高値放電でペアリング。往復効率90%、SOC 10〜90%(DoD 80%)、1日あたりのAC充電量を定格容量kWh(=1サイクル相当)以内に制限、効率込みスプレッドが託送従量料金+0.5円/kWh未満のコマは不採用。日次計画は各日を下限SOC(10%)で始めて同じSOCに戻す最適化(最小費用流)で、売った電力量は必ず同日に買い戻す前提です。損益は「放電収入−充電支出−託送従量」。日平均×365で年換算。往復効率90%・DoD 80%・容量劣化1%/年はいずれも筆者の設定値です(劣化率はメーカー保証水準〔10年で90%〕と整合する範囲)。使用した91日は夏季中心のため、年間の値差はこれより低くなる可能性があります。
EPRX(複合商品): PCS定格の30%(低圧は20%)を複合商品に確保し、全コマ応札、約定率90%(いずれも筆者の仮定)。確保率の残りをJEPXアービトラージに使います。約定率90%の根拠は、①ΔkW約定がpay-as-bidで、電源種別ごとの平均落札単価が火力2〜3円台、水力・揚水0.8〜3.1円、蓄電池8.8〜13.5円、VPP(DR等)は多くの月で19円台と大きく分散していること(EPRX「2025年度の取引実績について」2026年6月18日 p.46。複合商品の月別値)、②複合商品の不足率が前日取引化後も17.8%と高水準で、高値の札にも約定余地が残ること(資源エネルギー庁 2026年5月13日 資料8 p.7。一次調整力は46.3%→36.3%)、③同 p.11 「上限価格付近での応札は、一部不落となっているものの、引き続き約定することができる状況」。なお市場全体の平均約定単価は2.86円/ΔkW・30分(同 p.14)ですが、これは安価な火力・揚水を含む加重平均であり、蓄電池自身が受け取る単価とは別物です。収益は上限価格でクリップした値(min(約定単価, 上限))を積み上げ、売買手数料0.06円/ΔkW・30分を控除。低圧はアグリゲーター手数料15%を追加控除しています(アグリゲーターの公開情報にみられる10〜15%のうち保守的に上限側を採った筆者の仮定で、一次資料に基づく数値ではありません)。
想定約定単価は3通り置きました。
- 中央前提: 蓄電池の複合商品への平均応札単価8.45円/ΔkW・30分(前日取引化後=2026年3月14日〜4月10日、上限15円時代)を、「10円超が15%・平均13.5円」「10円以下が85%・平均7.56円」の2区分に近似。出典は資源エネルギー庁「需給調整市場について」2026年5月13日 資料8 p.10(電源種別の応札単価〔複合商品〕: 蓄電池は前11.35円→後8.45円)。10円超を15%と置いたのは、応札価格分布で10円以下が91.8%(同 p.11)=市場全体では10円超が8.2%であるところ、蓄電池は応札量全体では約6%(7.4÷125.7 百万ΔkW・h/日、同 p.10)にすぎないのに14円以上の応札の37.7%を占める(同 p.11。前日取引化前は84.4%) =高値側に偏って応札しているためで、保守的に多めに置いた筆者の仮定です。なお応札単価は「いくらで札を出したか」であり、実際に受け取る落札単価とは別物です。実現単価の代理変数として使っている点は筆者の判断です。
- 落札実績前提: EPRXが公表した複合商品・蓄電池の月別平均落札単価(2025年度、4月10.83/5月10.25/6月13.45/7月13.49/8月10.72/9月9.59/10月8.82/11月11.54/12月12.26/1月13.48/2月13.22/3月10.38 円/ΔkW・30分。単純平均11.50円、12か月中10か月が10円超。EPRX「2025年度の取引実績について」 2026年6月18日 p.46)を、12区分・等ウェイトの分布としてそのまま置いたもの。2025年度の大半は上限19.51円の期間ですが、月平均はいずれも15円を下回るため15円上限では1か月もクリップされません。月平均を分布として使うので月内のばらつきは潰れており、10円クリップの影響はこの計算より大きく出る可能性があります。
- 上限張り付き前提(感度): 約定単価=上限価格で全コマ約定(旧15円→新10円)。それ以外は中央前提と同じ。
CAPEX: 高圧6.8万円/kWh(資源エネルギー庁「2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ」2025年3月7日 p.25。2024年度 系統用 蓄電システム価格5.4+工事費1.4万円/kWh。同資料の注記どおり2024年度値は見積額ベースの推計です)、特高6.5万円/kWh(筆者推計。同 p.26 の系統用 容量区分別コスト〔設備費6.0/5.7/4.9/5.5、工事費1.5/1.5/1.1/1.3万円/kWh〕の大規模側をもとに受変電設備分を見込んで設定。原典に「特高6.5万円/kWh」という数値はありません)、低圧10.6万円/kWh(筆者推計。同 p.18 の2023年度 業務・産業用 設備費9.2+工事費1.4万円/kWh。同スライドに「推計対象が11案件と限定的であることに留意が必要」との注記があり、低圧系統用そのものの公表単価ではありません)。
OPEX: 運転維持費(監視・点検・保険)5,000円/kW・年(筆者の仮定。4h電池でCAPEXの約1.8%/年に相当)、託送基本料金(高圧653円87銭、特高423円39銭、低圧動力実量契約731円97銭/kW・月)と発電側課金(系統連系受電サービス)基本料金87円01銭/kW・月。 出典は東京電力パワーグリッド「託送供給等約款の見直し概要」(2023年12月1日。2024年4月1日実施分の変更認可申請時の資料。2026年8月28日閲覧)で、いずれも同資料に申請単価(税込)として掲載されている値です。これをそのままPCS定格kWに適用しており、認可後の託送供給等約款の料金表と一致するかは確認していません(筆者の簡略化)。同資料の注記により発電側課金の課金対象は「需要側の順潮kWを上回る発電側の逆潮kW分」ですが、本試算では保守的にPCS定格の全kWを課金対象と置いています(筆者の仮定。充放電が対称な系統用蓄電池では実際の課金対象はゼロに近くなる案件もあり得ます)。託送単価・発電側課金は東京電力PGの水準を9エリアに共通適用しました(筆者の簡略化)。売買手数料0.06円/ΔkW・30分は2026年度の水準で、2025年度は0.03円(資源エネルギー庁 2026年1月23日 資料4 p.13。同資料の時点では「EPRX内での適切なプロセスを経て決定がなされる予定」とされた段階でした)。
IRR: 0年目にCAPEX、1〜15年目に(JEPX×(0.99)^(t-1)+EPRX−OPEX) 。二分法で解きます。税・借入・残存価値・補助金・容量市場・三次②・kWh精算・インバランスは含めません。容量劣化はJEPXアービトラージ収入にのみ適用し、EPRXのΔkW収入は15年定額と置きました。ΔkW供出能力にも同率の劣化を掛けると、IRRはさらに平均1.05pt(0.85〜1.42pt)下がります。上限価格改定の影響を測る本試算では新旧いずれにも同じ扱いを適用しているため、差分(−pt)にはほとんど影響しません。
自分の数字で確かめる
この記事の計算は再現できるようにしてあります。前提と数式は上に全部書きましたし、スクリプトと27通りの全結果も公開しています。納得できない前提があれば、そこだけ書き換えて回してみてください。
有料・PDF
第三者検証レポート
受け取った資料の前提値そのままで再計算したいとき。想定約定単価・約定率・劣化率・稼働率・システム単価・契約年数をそのまま入れて、 JEPX実績と上限価格10円で引き直したPDFをお返しします。感度分析と9エリア比較つき。
受け取った資料の前提で再計算する(内容と価格を見る)どちらも、この記事の結論を信じてもらうためのものではありません。前提を自分で差し替えて、自分で結論を出すための道具です。
エネドックの蓄電池ドックは、機器も工事も売らず検証料だけを受け取る第三者検証サービスです。他の分析レポートは分析レポートの一覧にあります。
検証に使ったスクリプトとデータ
この記事の表と、試算から出た数値(IRR・年間収益・差率・感度)は、下の irr-recalc.json から生成しています。制度・一次資料から引いた数値(上限価格の推移、応札単価分布、CAPEX単価、託送単価など)は、本文中にそれぞれ出典を添えて書いています。
- irr-recalc.json
全結果(3設備×9エリア×3前提、EPRX劣化感度を含む)。このページの表と、試算から出た数値は、すべてこのファイルから生成しています。
- jepx-spot.json
JEPXスポット実績(9エリア×91日×48コマ、2026年5月30日〜8月28日)。
- compute.mjs
再計算スクリプト(Node.js)。上の2ファイルを入力に irr-recalc.json を再生成します。
配布データのライセンスは CC BY 4.0(出典を明示すれば改変・再配布・商用利用とも自由)。計算エンジンは @grptom/battery-engine 0.1.4 で、公開シミュレーターと同一のものです(配布物には同梱していません)。
一次資料
- 電力需給調整力取引所「需給調整市場のΔkW上限価格について」 2026年7月30日(2026年8月28日閲覧) / 最新の上限価格の掲載ページ
- 電力需給調整力取引所「2025年度の取引実績について」 2026年6月18日(2026年8月28日閲覧)
- 資源エネルギー庁「需給調整市場について」電力安定供給ワーキンググループ 第1回 資料8 2026年5月13日(2026年8月28日閲覧)
- 資源エネルギー庁「需給調整市場について」制度検討作業部会 第110回 資料4 2026年1月23日(2026年8月28日閲覧)
- 資源エネルギー庁「2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ」 2025年3月7日(2026年8月28日閲覧)
- 東京電力パワーグリッド「託送供給等約款の見直し概要」(2024年4月1日実施) 2023年12月1日(2026年8月28日閲覧)
更新履歴
- 公開
免責
本記事は公開情報に基づく試算であり、投資助言・勧誘を目的とするものではなく、特定の設備・案件の収益を予測または保証するものでもありません。前提値のうち、EPRXへの確保率・約定率・応札価格分布・往復効率・DoD・容量劣化率・運転維持費・アグリゲーター手数料・特高および低圧のCAPEX・発電側課金の課金対象電力・託送単価の9エリア共通適用は筆者の仮定または推計です。実案件では補助金・税・借入条件・アセスメント・容量市場収入等により水準が変わります。制度・市場価格は今後変更される可能性があり、投資判断はご自身の責任で行ってください。